事業概要

はじめに

「この世界には、GPSが届かない場所が無数にある」
スマートフォンが急速に普及し、人々の生活は便利になり、街を歩くときにスマートフォンのナビゲーションは常識になりました。しかし、屋内や地下など、GPSの電波が届かない場所は無数にある。 土地の上には建物があり、建物の中には空間があります。その空間に位置情報を整備するテクノロジーとして「TAGCAST」を開発しました。
TAGCASTは、CEATEC AWARD 2014のソーシャル・イノベーション部門 グランプリ、2016年と2017年の2年連続でMicrosoft Innovation AWARDファイナリスト、 MCPC AWARD 2017 総務大臣賞、2018年にイオンビジネスコンテストで優勝したプロダクトで利用しているテクノロジーです。

TAGCASTは、ビーコンと呼ばれるBluetoothの発信機をクラウドで統合管理して、スマートフォンアプリと連携をすることでモバイルシステムに位置情報を提供するコンセプトからスタートしました。 2012年、開発に成功し、「ビーコンが発信する識別情報と電波強度によりアプリを制御する位置情報サービス」の特許(特許第:5650870号、特許第5723052号)を取得しました。
いま、世界ではインダストリー4.0が進行しています。弊社では、2017年にTAGCASTの位置情報を「場所のIoT」として再定義したことで、 インダストリー4.0を加速するテクノロジーとして注目されています。なお、本特許は、国際特許としても出願していたため、日米中韓英仏独などの9ヶ国でも特許を取得しています(米国:US 9,596,573 B2、中国:ZL 2013 8 0067228.6、韓国:10-1569660など)。

TAGCASTのビーコンとクラウドとSDK(※)

TAGCASTのデバイスは、IDを一定間隔で発信しています。デバイスは「TC-Beacon(Room IoT)」と「PaperBeacon(Table IoT)」の2種類があります。電池で動き、給電不要で約1年間稼働します。

「TC-Beacon」は、独自にデザインした小さなボックスに機器が収められています。箱から出して棚に置いたり、紐で吊るすだけで、工事不要で利用できます。耐候性の設計のため、屋外でも利用できます。 1つで10~20m程度の空間をIoT化できます。実績としては、ZOZOマリンスタジアム(千葉ロッテ球場)、ハウステンボス、イオンモールなどに提供しています。

「PaperBeacon」は、シート型でテーブルの裏に貼り付けることで利用できます。帝人と開発した特殊なシート(特許を共同出願:2015-104643)で表面数cmに強く電波が流れるため、テーブル単位でIoT化できます(テーブルの表面に電波の膜を作り、スマホにテーブル番号を連携)。実績としては、プットメニュー株式会社のオーダーシステムPutmenuに提供し、大戸屋ホールディングスなどに提供しています。
「TAGCASTクラウド」は、デバイスの設置場所(住所・緯度経度など)を管理して、世界地図にマッピングできます。GPSの位置情報は2次元ですが、TAGCASTの位置情報は建物の中も整備できるため、3次元になります。GPSが弱い場所、届かない場所でもGPS情報を補正できます。デバイスの場所を変更したい場合、クラウドの管理画面で簡単に変更できます。

「TAGCAST-SDK」は、iPhoneおよびAndroidに対応しています。各企業は開発したアプリにSDKを組み込むだけで、そのアプリはイノベーションされて、「場所のIoT」を利用できます。SDKはHTML5にも対応しており、HTML5ハイブリッドアプリも短期間かつ低コストで開発ができます。
※SDK:Software Development Kit

TAGCASTのシステム構成
HTML5の概念図

TC-BeaconでRoomIoT

GPSを利用するように、位置情報を利用できるのがTAGCASTです。GPSを受信できない場所でも位置を特定し、施設の奥の通路の先などでクーポンやポイントやアイテムを配布したり、来店を証明することでクチコミと来店回数を紐づけたりもできます。 施設主は、来店者向けの効果的なモバイルサービスを提供できます。つまり、TC-Beaconは「空間(Room)のIoT」を実現するデバイスです。

Room IoTのイメージ

PaperBeaconでTable IoT

一般的な電子機器は、空間に電波が広がり、小さな範囲の特定は困難です。PaperBeaconは、表面数cmに強く電波が流れるシートで、テーブルの裏に貼り付けるだけでテーブルの表面数cmに電波の膜を作るため、スマホをテーブルに置く(電波に触れる)とスマホにテーブル番号を渡すことができます。
そのため、アプリを開発すれば、レストランやスタジアムで注文のあった席に商品を配膳したり、コワーキングスペースのデスクで着席場所や滞在時間を管理したり、レジの支払いではレジに置くだけで支払いもできます。
現在、QRコードの決済が普及していますが、利用者がスマホの画面を提示したり、店員がQRコードをスキャンする手間が必要です。PaperBeaconであれば置くだけで利用できるので便利です。PaperBeaconは「テーブルのIoT」を実現するデバイスです。

Table IoTのイメージ

TC-Beaconでヒトやモノの移動を可視化

TC-Beaconとスマートフォンを利用して、ヒトやモノの移動も分析できる「Target Movement Analysis」も提供しています。移動経路を可視化するルート表示、各地点の滞在時間を可視化するホットスポット表示があります。 GPSが届かない屋内で、清掃員のルートの効率化分析、工員や警備員の位置把握、販売員の適正配置、セキュリティ強化のための人のトレーサビリティなどを実現できます。短時間で所定の行動を成果とすることで、働き方改革にもつながります。

ヒトやモノの分析画面

「TAGCAST」の類似テクノロジー

TAGCASTの原点は空間の位置情報です。従来、GPS以外の位置情報は、Wi-Fiを活用する方法が一般的でした。しかし、Wi-Fiは電源設備が必要のため、設置場所に制約があり、機器も大きくなります。 また、既設のWi-Fi機器を位置情報として利用する場合、所有者も個人から法人まで様々です。利用するにあたり所有者の許諾も必要で管理が煩雑になります。そのため、Wi-Fiを位置情報のインフラとして整備するのは現実的ではありません。
また、RFID(RFタグやICタグとも呼ばれる)の手段もありますが、RFID自体は電波を発信せず、市販のスマートフォンではRFIDを利用できないため、商品管理以外には適しません。
それに対して、TAGCASTのデバイスは電池で1年以上稼働し、壁やテーブルに貼り付けて、クラウドで設定するだけで、空間の位置情報を整備できます。 世界中のスマートフォンで機種を問わずに提供できるため、建物の空間の位置情報を整備するインフラとして適しています。TAGCASTは、建物内のあらゆる場所をIoT化できるので、アプリと連携してその場所に応じたサービスを簡単に提供できます。

おわりに

「この世界には、GPSが届かない場所が無数にある」
土地の上には建物があり、建物の中には空間があります。その空間に位置情報を整備するテクノロジーは未開拓の状況です。 TAGCASTで位置情報「場所のIoT」を整備することで、人々に次世代の利便性(UX)を提供できます。そのデジタルトランスフォーメーションにより、ビッグデータが多く蓄積され、AIが加速します。新しい利便性(UX)は、インダストリー4.0(第4次産業革命)を加速します。

弊社は、日米中韓英仏独などの9ヶ国の特許をもとに、各国の企業と提携しながら、世界中でユーザエクスペリエンス(UX)をイノベーションして、社会問題を解決する製品づくりに貢献していきます。

2018年10月05日
株式会社タグキャスト
代表取締役 鳥居 暁

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